"ドストエフスキーがロシアの小説に、モーツァルトがドイツの音楽に対して占める位置を、ブレッソンはフランス映画に対して占めている" ー ジャン=リュック・ゴダール
映画について語る時、絶対に見ておかなければならない作品があります。ブレッソンの映画はその最たるものでしょう。
コクトーらと共に「カイエ・デュ・シネマ」誌の母体ともいえるシネクラブ "オブジェクティフ49" を創設した彼は、生涯を通じてドラマティックな誇張を一切排した純粋な映画づくりを追求しました。
簡潔さの極みを実現したブレッソンの作品は、「本物の芸術とは何か」を今でも語りかけてきます。
(1956年 / フランス / 100分)
監督・脚本;ロベール・ブレッソン 原作;アンドレ・ドヴィ 撮影;レオンス=アンリ・ビュレル
出演: フランソワ・ルテリエ / シャルル・ル・クランシュ / モーリス・ベブアロック / ローラン・モノー
1943年・ドイツ占領下のリヨン。レジスタンスのフランス将校が逮捕され、監獄の独房に入れられる。毎日のように聞える銃殺刑の音。開放など望めるべくもなく処刑される運命にある彼は脱獄を決意する。無言と寡黙の雄弁さ。至福の映画体験。
(1964年 / フランス・スウェーデン / 95分)
監督・脚本;ロベール・ブレッソン 撮影;ギスラン・クロケ 美術;ピエール・シャルボニエ
出演;アンヌ・ビアゼムスキー / フランソワ・ラファルジュ / フィリップ・アスラン
"この映画は美しい。そう、私にとってただ美しいのみである" F・トリュフォー。 ピレネーの小さな村の娘マリーは、農園主の息子ジャックと小さなロバのバルタザールを可愛がる。しかし運命は二人を引き離し、バルタザールも人手に渡ってしまう。
(1967 / フランス / 80分)
監督・脚本;ロベール・ブレッソン 撮影;ギスラン・クロケ 音楽;クラウディオ・モンテヴェルディ
出演:ナディーヌ・ノルティエ / ジャン・クロード・ギルベール / マリア・カルディナール
父親はアル中で暴力ばかり、母親は病気で寝たきりの14才の少女ムシェット。学校では友人も居場所もない彼女は、ある日森で密猟者と出会い心を通わせるようになるが。「田舎司祭の日記」以来2度目のジョルジュ・ベルナノスの小説の映画化。
(1959年 / フランス / 74分 / ニュープリント版)
監督・脚本;ロベール・ブレッソン 撮影;レオンス・アンリ・ビュレル 音楽;ジャン=パティスト・リュリ
出演;マルタン・ラサール / マリカ・グリーン / ピエール・レーマリ / ペルグリ / ピエール・エトー
手先が器用なことから、スリをして生計をたてている貧しい大学生ミシェルと彼を慕う女ジャンヌの物語。スリの驚くべき手口がドキュメンタリー・タッチでリアルに描かれ、切ない恋愛とサスペンスたっぷりの犯罪がクールに交差する傑作!
(1983年 / フランス・スイス / 85分 / ニュープリント版) ・カンヌ国際映画祭 監督賞 / 創造大賞
監督・脚本;ロベール・ブレッソン 撮影;エマニュエル・マシュエル / パスカリーノ・デ・サンチェス
出演;クリスチャン・パティ / カロリーヌ・ラング / バンサン・リステルッチ
80歳を超え自身の映画美学の神髄を究めた遺作。偶然握らされたニセ札をきっかけに妻子あるガソリン配達人の青年が全てを失い、一家惨殺事件を引き起こし人生を転落していく...。手と感情を封じた表情を繊細にとらえた映像の数々は圧巻!